在宅血液透析のための
工程・操作マニュアル(工事中)
ニプロNCV-10
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在宅血液透析への道
 2007年に腎不全と診断され、保存期治療を経て2009年より血液透析にはいる。週3日4時間透析。毎日毎日が透析に追いかけられているようで、仕事も生活も落ち着かない。何とかならないかと思い、色々調べ、看護師さんや技士さんにも話を聞き、腹膜透析との併用でQOLを上げることになった、2014年からHD週2回、PD週5回の併用透析にはいる。それからHD週1.5回、PD週5.5回を経て、2016年最終的にHD週1回、PD週6日に移行した。一応念願が叶ったわけだが、β2の抜けが悪い。それにPDでのお腹への透析液の貯留が重たく煩わしく、活動的な生活を送れない。思っていたよりPDも時間的、身体的に負担が大きかった。そんな思いでいたとき在宅血液透析の話を聞いた。透析センターの看護師さんや技士さんから、研修などで見聞してきた在宅血液透析の色々な話を聞くことができた。だが、通院していた透析センターでは、在宅血液透析を取り扱う予定はまったくなかった。そこで、在宅血液透析を指導、管理してくれるクリニックを紹介されたので、2016年11月よりそのクリニックへ通って訓練を受け、在宅血液透析に移行することを決めた。透析に通いながらの訓練だが、透析装置の操作や回路等のセッティングが複雑で、また患者向けのマニュアルもない。そこで実際の体験を活かした、在宅を目指す患者向けの工程や操作をきめ細かく説明したマニュアルになるような物を作ってみようと思い立った。自分自身の訓練にも大いに役立ちそうなので、実際にやった操作や技士さんのアドバイスなどをを思い出しながら、少しずつ書き足していくことにした。これから在宅血液透析を導入しようとしている人の参考にもなってくれたら…。
 
モニター画面/操作 装置側のセッティング
穿刺前の準備
洗浄終了」を確認。  
生理食塩液を十字フックにかけておく。
透析液をセット。
  A液、B液原液タンクの蓋を開ける。ゴム製のキャップに付け替える。
コンソール(透析装置)のノズルをはずし、同じ色のタンクに差し込む。奥までしっかり差し込むこと。色が同じか確認。

準備」を押す→
液種カーボスターL」を選び「準備開始」を押す。
これからコンソールの自己診断と液置換(透析液の作成)にそれぞれ10分間かかる。

「自己診断中」→「バイパス中」→「液置換中」


自己診断と液置換の間に回路セッティングを行う。
ダイアライザーをフックにかける。赤が下。
V側(返血側/ヨ)回路のセッティング
  回路をほぐしながら、チャンバーをまずセットする。3方向にチューブが出ていることを確認。
長いものもあるので床に触れさせないよう注意。
チャンバーの上から出ている静脈圧ラインは、コンソール(透析装置)の青色の受圧口につなぐ。
同じくダイアライザーにつなぐラインも、ダイアライザーの青色につなぐ。
チャンバーの上から出ている2個の余計なクリップは閉じておく。
チャンバーの下から伸びている一番長いラインは、返血の針先につなぐライン。
ラインの途中をV側気泡検知器に差し込み、先端を排液カップに差し込み固定する。
A側(脱血側/赤)回路のセッティング
  回路をほぐしながら、チャンバーをまずセットする。3方向にチューブが出ていることを確認。
長いものもあるので床に触れさせないよう注意。
チャンバーの上から出ている動脈圧ラインは、コンソール(透析装置)の赤色の受圧口につなぐ。
同じくダイアライザーにつなぐラインも、ダイアライザーの赤色につなぐ。
チャンバーの下から伸びている一番長いラインは、脱血の針先につなぐライン。
まずラインの太くなっている部分を血流ポンプにまわし入れる。
この先の分岐している細いチューブはヘパリンシリンジ(注射器)に接続するラインだが、そのままにしておく。クランプは閉じておく。
生食につなぐラインとT字路になっている部分をA側生食側気泡検知器に差し込む。
A側の先端の針先をV側の排液コネクタに接続。二股になった先端を排液カップに差し込み固定する。
生食のシールをはがし、生食につなぐラインの先端の針をしっかり差し込む。
この時点で除水の設定をしておいてもいい。
「準備完了」を確認
自動プラ」を押す。
プライミング液が生食であることを確認
自動プライミング準備画面
  生食」を選び、「はい」を2回押す
プライミング画面へ」を押す
血流ポンプON
プライミング開始→
「バイパス中/プライミング中」が交互に点滅
(準備→生食プラ→A液面調整→Vプラ→V液面調整→Aプラ→高速洗浄まで順次点灯する)
「プライミングが終了しました」→
血流ポンプの停止を確認
  排液用コネクタ(Y字管)のクランプを閉じる。

循環」を押す
血流ポンプが始動
 
回路やダイアライザーの空気を抜く。
チャンバーを鉗子でたたいたり、ダイアライザーを持って手でたたいたりして、付着している空気をしっかり抜く。
終了」を押し、次の画面で
はい」を押す
 
  A側、V側の、穿刺針につなぐラインのクランプを閉じる。
血流ポンプが停止していることを確認  
  ダイアライザーを横にしてカプラを装着。青から先にする。
バイパス」を押し→
ガスパージ」を押す
 
  ダイアライザーを満たしている透析液の空気を抜く。青を下にして手でたたく。
ガスパージ」を押して終える。  
除水設定
除水時間→透析時間→除水量入力
除水速度を確認→「確定」を押す
 
 

シリンジは、一度引いてからゆっくり押し戻して空気を抜いておく。針先から液が出るので注意。ヘパリンシリンジにラインをつなぎ、シリンジポンプに装着。クランプを開ける。

穿刺
  穿刺にはいるための準備。
穿刺を始めると片手になるので、プライミング中、手が空いた時間に必要な物を準備しておく。
駆血ベルト、シーツ、穿刺針、鉗子、排液コネクタの部分、消毒セット、テープを確認。
テープは実際に貼る長さに切っておく。
針先のトラブルのために、10mlシリンジ2本と、20ml生理食塩水を用意する。

排液タンクに固定しておいたY字になった回路の先端を左手で持つ。
私の場合は、A側の穿刺を先に行う。穿刺針の鉄針が血管内にはいると、手元に血液が出てくるのが見える。次にプラスティック針まで血管内にはいると、針先に血液が満たされるのが見える。鉄針を少し戻し、血管に沿ってプラスティックの針先をしっかり入れたら、テープで1箇所を固定し鉄針を抜く。V側も同じように穿刺し、テープで固定。駆血ベルトをはずす。
次に、V側、A側の回路を穿刺針につなぐ。
私の場合はA側から、穿刺針を鉗子で閉じヘッドのキャップをはずす、鉗子を開いて口のところまで血液が満ちたら鉗子を閉じ、回路をしっかりつなぐ。A側から始め、V側が終わったら、止血パッチを貼り、穿刺針が抜けないよう回路と一緒にテープで固定する。
A側、V側ともクランプを開ける。
※回路を繋ぐ前に、穿刺針につまりが想定されたら、10mlシリンジでポンピングをしておく。

血流ポンプON、100ml/min以上で回す。
静脈圧の上昇の有無を確認
血液がダイアライザーまできたら「運転」を押し、透析にはいる。血流量を決められた数値に設定する。
A側回路のピローの膨らみや回路の震えなどで脱血状況を確認。
透析中の管理
血圧測定・血圧履歴確認 1時間おきに血圧を測定し、記録する。
液面調整  
補液  
除水停止  
針先洗浄 V側の穿刺針の先端が血液の塊などで閉塞すると、静脈圧が高くなる。この場合、針先洗浄を行う。
10mlシリンジ2本を用意。生理食塩水20mlを開け、1本のシリンジで生理食塩水を吸い込んでおく。この時、シリンジを不潔にしない。
  返血」を押す
血流ポンプOFFにする
 
  V側のクランプを閉じ、穿刺針を鉗子で止め、針先と回路の接続をはずす。
針先に空の10mlシリンジをつなぎ、鉗子をはずし、血液を吸いこむ。抵抗がどのくらいかを把握。このシリンジは廃棄し、生理食塩液のはいった10mlシリンジにつなぎ換えて、生理食塩水を針先に押し込む。押し込めたら逆に血液を吸い込む。血液を押し込んだり、吸い込んだりを数回繰り返すポンピングを行う。スムースに行えるか確認。針を鉗子で止め、10mlシリンジをはずして、回路のラインをつなぐ。
鉗子をはずし、クランプを開く。
※素早くやらないと、血液が凝固し、再度閉塞が起こることが考えられる。
A側も、血液の塊などで脱血不良になっている場合なども、同じように針先を洗浄する。
血流ポンプON
(設定血流量100ml/min程度)
徐々にポンプの速度を速める
問題なしを確認→「運転」を押す
 
返血/抜針
透析終了前30分になったら、シリンジポンプが停止し、黄ランプが点滅し警報音が鳴る。
消音」を押すとランプが点灯に変わる。
 
  シリンジのクランプを閉じる。
「透析が終了しました」が表示されたら
返血」を2回押す。
返血に必要な生理食塩水が400ml以上あることを確認。
返血量を確認→「返血開始」を押す。
基本返血量:V側370ml/A側30ml
※針を抜く準備をしておく。
 止血ベルト、シーツ、Y字コネクター、綿球にテープを付ける。
返血が終了しました→「消音」を押す。
  A側、V側ともクランプを閉じる。
綿球を止血ベルトで押さえ、針先を抜く。針は回路から外し廃棄。
はずした回路の先端を排液用コネクタに接続し、ループさせる。
原液タンクに差し込んでいたノズルは、それぞれの色の定位置に戻しておく。
回路等の抜液/排液
  A側、V側のクランプを開ける。
回路抜液」を長押しする。
血流ポンプONにする。速度調整可。

※液が抜けづらい場合は、静脈圧ラインフィルタを開放させる。
速度は最高で350mlなので、そこまで上げても問題はない。

  気泡検知器をそれぞれを開放させる。→生理食塩水のバッグ内の液が抜ける。
ヘパリンシリンジをはずし、残った液を回路内に押し出す。
ピロー内にある血液の塊を、A側チャンバーの方に押し出す。
「回路抜液が終了しました。」
「バイパス」が点滅→「排液」を押す。
 
  ダイアライザーから青カプラをはずし、ダイアライザー内の排液を行う。
液が抜けたら赤カプラもはずす。キャップを付ける。
カプラは、色を確認して、透析装置の定位置に戻す。蓋もかならず閉じる。
片付け/洗浄
画面が洗浄待機画面に切り替わる  
  回路を、コンソールからはずし、廃棄処理。
原液タンクの残液を流す場合は、かならず水と一緒に流すこと。
アル綿を使って、コンソールを清拭する。
洗浄」を押す 透析後洗浄
使用後のコンソール内自動洗浄(週間プログラムで設定されている。
注意:透析を休む日は、その日に予定されていた洗浄を手動でいれる。
透析前洗浄
次回の使用開始前の自動洗浄(前もって時間は設定されているー都合に合わせての変更可)

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