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2003/04/06(22:05:15)
[題]:64MB ドータ基板を使った改造
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CAD の勉強も兼ねて 64MB ドータ基板を作ってみました。
素人が初めて作ってみたのですが、一応思い通りに出来上がって倍速の 新旧 200LX/100LX で動作OKです。 (^^)
改造作業の要領は FHPPC で共同購入した Tuned 32M 配線板とほぼ同じですが、マザー基板の既存 DRAM を除去しない分楽だと思います。

      
                      表(Side A)                         裏(Side B)

【概要】
基板アートワークは自動配線で最後にチョコッと手を加え、 両面基板なので業者へ依頼した物です。
基本回路は 128MB 化と同じ手法です。実際に基板を起こした図ではありませんがほぼ同じ回路図です。

バンク2とバンク3にそれぞれ 32MB を割り当て、Times2 Tech 社の増設ドライバ(T2TDRV) でC ドライブは元容量+F ドライブ 64MB になります。

配線板からホーネット CPU へのジャンパ配線は、A10 と A11 の2本です。隣合わせの Pin なのでここが一番ネックだと思います。
配線板内ではジャンパ配線(RAS0−15ピン)1本です。

部品は DRAM (13165) と NAND ゲート (LVC00PW) にパスコン (104)、 それと 36 ピンコネクタ です。
配線板の Side A側に2個 DRAM を乗せれば +32MB 、Side Bにも2個 DRAM を乗せれば +64MB になります。

100/200LX ともソケット、またはソケットランドが在ることが前提です。


【製作】


0.
工具・材料(参考)

  ◆ 半田鏝(12W)、半田(0.38φ)、フラックス、小型ニッパ、ピンセット、
     半田吸取り線(0.9mm)、ルーペ(15x)、綿棒、トルクス6番、ウレタン線
     (0.2φ)またはリード線 、カッターナイフ、彫刻刀。
     以上の工具・材料は千石電商等で揃います。

  ◆ DRAM はバルク基板(EDO128MB)を通販で入手、NANDゲートやパス
     コンは鈴商で購入しました。


 

1.
36pin コネクタを半田つけし、黒いハウジングを除去する。

  ◆ ハウジングは鏝先で熱を加え、カッターナイフ等で破壊除去します。
     これが結構面倒だったりします。 (^^;;
     (左の画像はハウジングを除去したあとです)
    

2.
配線板の Side A側に DRAM 2個とパスコン2個、NANDゲート1個
   を半田付けし、RAS0 ランドから裏の 15 ピンにジャンパ配線する。


  ◆ 配線板の両端をテープ等で固定します。

  ◆ 配線板は半田メッキされているので、Pin ランドの予備半田は不要と
     思います。DRAM の半田付けは全 Pin にフラックスを付け、四隅の
     Pin から半田付けするとやり易いです。

  ◆ Pin の半田量は少ないよりは、気持ち多めの方が良いようです。

  ◆ RAS0 ランドから裏(Side B)の
36Pin コネクタの 15Pin にジャンパ配
     線します。
1Pin から横に数えると8番目です。
 

3.
配線板の A10、A11 をホーネットCPU の 133、132Pin に配線する。

  ◆ 隣り合った Pin なのでマスキングするか、半田付け方向を変えるなり
     して半田ブリッジを回避します。

  ◆ A10(133Pin) は基版上に、A11(132Pin) は Pin の肩に半田付けしてあ
     ります。


4.
LX を組立なおして [ESC]+[ON] で RAM TEST を行い、"3*M OK"
   になることを確認します。


  ◆ ビープ音が鳴り続けたり、電源 ON しても何も画面表示されなかった
     り、或いは RAM TEST が終わっても容量表示がおかしかったり、bad
     表示された場合は、半田不良またはソケットへの挿し込み位置がず
     れている可能性があります。
     ソケット挿し込みが正しければ半田不良です。フラックスを DRAM Pin
     に付けて鏝で舐めます。
     あとはホーネット Pin 側の半田ブリッジが怪しいです。

  
◆ RAM TEST に掛かる時間は倍速で約20分です。

  ◆ +64MB 化せずに、
このまま+32MB 化にする場合は、コネクタ
     の 15Pin ジャンパ線を
16Pin に入れ換える。

5.
再度開腹して Side B側に DRAM とパスコン各2個を半田付け。

  ◆ 私はマザー基板に付けたまま上から半田付けしました。


6.
DRAM とキーボード裏の丸ポッチ1個が干渉するので、平らに削り
   取ります。

  ◆ 
赤丸の凸を彫刻刀(丸刀)で平らに削りました。矢印の白いベロもき
     わどいので切り落としました。



7.
あとは再組立して6と同様に RAM TEST を行い、"6*M OK"を確
   認して+64MB 化の完成です。

  ◆ 左の画像は、新 200LX です。旧 200LX では ”65M OK”となります。
     100LX では”qM OK”(65MB)となります。

  ◆ RAM TEST に掛かる時間は倍速で約40分です。

8.
増設ドライバの rdt2t で、 F ドライブとして 64MB を確認します。

  ◆ 
左の画像はリセット後の立ち上がり画面です。
<参考>

Cドライブ 32.5MB/Fドライブ 32MB にした配線画像


 旧 200LX マザー基板上の既存 DRAM 1個を取り外し、配線板の RAS0 と
 除去した DRAM 跡地の |RAS (14Pin) を配線する。(黄色のリード線)
 RAM TEST 結果表示は、" 64 1/2 OK" となります。

 なお 100LX では、既存 DRAM の取り付け方向が180°違うので取り外す
 前に確認してください。


【結果】
サスペンド電流は、フラッシュカードを抜いた状態で 3.01mA(2.886V) でした。 手配線 64MB とほぼ同じ結果です。
動作速度は倍速止まりです。


【感想】
手配線より格段に作業性が改善されました。 改造するにも安心感があり、手配線よりは気楽に改造ができました。 (^^)
マザー基板の既存 DRAM も取り外さなくていいので手数も減り、元に戻す場合でも簡単にできます。

反面、見ての通り両面に DRAM を付けるので配線板が大きく厚くなるため、LX 内部に納めるにはギリギリです。


【補足】
CAD はフリーソフトの BSchPCBE で描き始めたのですが、 両面基板のアートワークに途中でメゲてしまいました。 (^^;;
結局、自動配線してくれるフリーの EAGLE で作りました。EAGLE CAD の使い方は最近 「トランジスタ技術」 誌に連載がはじまりましたね。 (^^)

JKIT による日本語化は、F ドライブに作ります。EMS を確保するには Times2 Tech の T2TDRV に同梱されている instemm.exe で F ドライブに
ページ領域を作り、config.sys に tremm.exe を追加します。

いや自分は日本語環境をCドライブに作りたい、と云う方はマザー基板上の既存 DRAM を除去し、配線板の 15Pin ジャンパを外してこれを除去し
た DRAM の |RAS (14Pin) ランドに配線すれば、C=32.5MB/F=32MB で Cドライブに日本語環境を構築できます。(参考画像参照)


【戯言】
出来上がって来た配線板を見るなり、あれ? Via がレジストされてない?...マスクすべきとは知りませんでした。(爆)
あと DRAM ランド形状がジャストフィットし過ぎで、 もう少し半田付けし易いように長くすべきでした。 (^^;;

とは云え一応思惑通りの 64MB 配線板が出来ました。もし再製作の機会があれば今回の改善点を踏まえた物にしたいです。
また配線板は大きくなりますが 128MB 配線板にも反映しようと思っています。



【謝辞】
@nifty FHPPC 9番会議室の先達の方々に感謝すると共に、この場をお借りしてお礼申し上げます。